コア語彙解説書 バージョン1.0 (2020-02-28公開)

1. 語彙について

1.1 用語と語彙

「語彙」は、一般には「語」(言葉、単語)の集合を意味しますが、共通語彙基盤における「語彙」とは、語の背景にある概念の集合です。特に共通語彙基盤では、ファイルやインターネットなどを介して行われるコンピューター間のデータ通信を円滑かつ確実に行うことを目的として、語(言葉、単語)が指す概念の意味や構造、概念と他の概念の関係などを明確にしたものです。共通語彙基盤では、特に混同がない場合は、そのような語で表される概念を「用語」と呼んでいるので、「語彙」は「用語」の集合ということになります。

共通語彙基盤では、類似の用語、重複する用語、分野で意味が異なる同一語といった用語など、コンピューター処理を難しくさせている用語の問題を解決するため、概念的な同一性を保証する形で「用語」を定義しています。

1.2 コア語彙

コア語彙は、共通語彙基盤の基礎をなすもので、氏名、住所、組織等、あらゆる社会活動で使用される中核的な用語の集合です。多くのシステム間で情報交換のための基礎となる語彙で、データ交換、オープンデータの二次利用等の効率化に役立つものです。 共通語彙基盤が提供する語彙は、意味や根拠を明確にするとともに、体系化、階層構造化により、正確に物事を表現することで、同じ単語を違う意味で使うことによる誤解や、違う単語を同じ意味で使うことによる意思疎通の不便さを解消することができます。また、広域での情報連携を促進し、流通性の高いアプリケーションを整備することが可能となります。

(1) コア語彙の記述

コア語彙の用語を書く際には ic:用語名 のように記述します。用語名に付加している ic: は特定の用語がコア語彙で定義されている用語であることを示すときに慣用的に使われる接頭辞です。 IMI Core vocabulary の略表記として ic: を使用しています。IMI共通語彙基盤の提供する文書や情報ではこの接頭辞を用いています。 例えば、コア語彙のクラス用語、場所型 を表現する際には ic:場所型 と記載します。

1.3 IMI語彙の構造

(1) 語彙の構造

語彙の構造として、2種類の概念があります。一つは「人」「施設」「イベント」と行った事柄(事物や出来事)に関する概念で、これをクラス概念と呼びます。もう一つは、事柄(クラス概念)の性質や事柄と事柄の関係を指し示す概念で、先の「人」であれば、その性質である「性別」や「名前」にあたるもので、これをプロパティ概念と呼ぶことにします。 概念にはクラス概念とプロパティ概念がありますが、共通語彙基盤では概念を「用語」と呼んでいるので、それらをクラス用語とプロパティ用語といい換えることができます。そのため、これ以降、「クラス用語」「プロパティ用語」として説明します。 実際に語彙を作り上げるためには、クラス用語とプロパティ用語およびそれらの関連性を定義する必要があります。それで、クラス用語とプロパティ用語の関係、またそれぞれの用語の表記について以下に説明します。

(2) クラス用語とプロパティ用語

クラス用語は、何らかの事柄に関する概念を表す用語であり、プロパティ用語は、それらの事柄の性質や事柄と事柄の関係を指し示す概念を表すための用語です。つまり、クラス用語は一つ以上の組合せ可能なプロパティ用語をもち、プロパティ用語は、データ値を直接もつこともあれば、他のクラス用語と関連付けられることもあります。

クラス用語は、その性質・属性を表すプロパティ用語の組合せで定義されます。そして、プロパティ用語は次のいくつかの情報によって定義されます。

プロパティ用語の値型

プロパティ用語によって結び付けられるテキストデータの書式や他のクラス用語をプロパティ用語の「値型」と呼びます。 値型が文字列や日付等のテキストデータの書式の場合、プロパティ用語が値を直接もつ形になります。(詳細は「1.6値型(クラス用語除く)の一覧とその記述例」を参照) 値型がクラス用語の場合は、値型として指定されたクラス用語がもつプロパティ用語の値型へと間接的に結び付けられます。つまり、そのような用語を実装(表現)したデータは、いくつかのクラス用語を経て末端のテキストデータにたどり着くような階層構造をもちます。

プロパティ用語の回数

プロパティ用語は、クラス用語を何らかの事柄に結び付けるために用いられるものですが、同一のプロパティ用語で同時に別個の事柄と結び付けることもあります。そのような場合は、同一プロパティ用語を複数回使用することになります。このように、一つのクラス用語に対して、プロパティ用語を何回使用できるかを最小出現回数と最大出現回数で定義したものをプロパティ用語の「回数」と呼びます。

例えば、クラス用語「定期スケジュール」に対して、プロパティ用語「開催期日」を2回使用して、"火曜日"、"木曜日"という2つの曜日が結び付けられる場合があります。

1.4 継承による新規クラス用語の作成

語彙のクラス用語をベースに、プロパティ用語の追加、回数の変更などを行って新たなクラス用語を定義することをクラス用語の「継承」と呼びます。 共通語彙基盤の核となる「コア語彙」では、プロパティ用語を追加してクラス用語を拡張し派生させていく「継承」の手法を使っています。

1.5 コア語彙 ー 継承関係⼀覧

第1階層 第2階層 第3階層 第4階層 第5階層 第6階層
ic:概念型
ic:概念型 ic:長さ型
ic:概念型 ic:重量型
ic:概念型 ic:面積型
ic:概念型 ic:容量型
ic:概念型 ic:数量型
ic:概念型 ic:人数型
ic:概念型 ic:金額型
ic:概念型 ic:日付型
ic:概念型 ic:日時型
ic:概念型 ic:施設関連型
ic:概念型 ic:組織関連型
ic:概念型 ic:構成員型
ic:概念型 ic:関与型
ic:概念型 ic:アクセス型
ic:概念型 ic:アクセス区間型
ic:概念型 ic:参照型
ic:概念型 ic:記述型
ic:概念型 ic:状況型
ic:概念型 ic:ID型
ic:概念型 ic:コード型
ic:概念型 ic:コード型 ic:単位コード型
ic:概念型 ic:期間スケジュール型
ic:概念型 ic:期間スケジュール型 ic:期間型
ic:概念型 ic:期間スケジュール型 ic:イベントスケジュール型
ic:概念型 ic:期間スケジュール型 ic:定期スケジュール型
ic:概念型 ic:制約型
ic:概念型 ic:制約型 ic:範囲制約型
ic:概念型 ic:制約型 ic:期間制約型
ic:概念型 ic:制約型 ic:コード制約型
ic:概念型 ic:事物型
ic:概念型 ic:事物型 ic:名称型
ic:概念型 ic:事物型 ic:氏名型
ic:概念型 ic:事物型 ic:住所型
ic:概念型 ic:事物型 ic:連絡先型
ic:概念型 ic:事物型 ic:価格型
ic:概念型 ic:事物型 ic:座標型
ic:概念型 ic:事物型 ic:活動型
ic:概念型 ic:事物型 ic:対象型
ic:概念型 ic:事物型 ic:文書型
ic:概念型 ic:事物型 ic:イベント型
ic:概念型 ic:事物型 ic:サービス型
ic:概念型 ic:事物型 ic:設備型
ic:概念型 ic:事物型 ic:ID体系型
ic:概念型 ic:事物型 ic:コードリスト型
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型 ic:人型
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型 ic:組織型
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型 ic:組織型 ic:業務組織型
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型 ic:組織型 ic:業務組織型 ic:法人型
ic:概念型 ic:事物型 ic:場所型
ic:概念型 ic:事物型 ic:場所型 ic:地物型
ic:概念型 ic:事物型 ic:場所型 ic:地物型 ic:土地型
ic:概念型 ic:事物型 ic:場所型 ic:地物型 ic:建物型
ic:概念型 ic:事物型 ic:場所型 ic:地物型 ic:施設型
ic:概念型 ic:事物型 ic:場所型 ic:地物型 ic:施設型 ic:駐車場型
ic:概念型 ic:事物型 ic:製品型
ic:概念型 ic:事物型 ic:製品型 ic:製品個品型
xsd:string ic:電話番号型

1.6 値型(クラス⽤語除く)の⼀覧とその記述例

コア語彙のプロパティとして直接データを持つことができるものには、値型としてXML Schema、UN/CEFACTにてデータタイプが定義されています。

データタイプ 説明 用例
xsd:string 文字列 IMI, 東京都文京区, IPA
xsd:anyURI URI形式の文字列 https://imi.go.jp/
xsd:nonNegativeInteger 0以上の整数 0,1,2,…
xsd:decimal 10進数 -1.23, 0, 123.4
xsd:integer 整数 …,-2,-1,0,1,2,…
xsd:double 倍精度64ビット浮動小数 +1234.567, -1.2345e67, -.56E-7,
INF, -INF, 0
xsd:dateTime 日時"YYYY-MM-DDThh:mm:ss" で指定します
YYYY:年
MM:月
DD:日
T:日付と時刻の区切り記号
hh:時間
mm:分
ss:秒
2020-01-01T01:01:01,
2020-01-01T01:01:01Z(UTC)
xsd:date 日付"YYYY-MM-DD" で指定します
YYYY:年
MM:月
DD:日
2020-01-01,
2020-01-01Z(UTC)
xsd:time 時刻"hh:mm:ss.sss" で指定します
hh:時間
mm:分
ss:秒
sss:ミリ秒
01:01:01.000,
01:01:01.000Z(UTC)

※ 正式な情報を取得するには W3C のページを参照の事

データタイプ 説明 用例 参照先
uncefactISO4217: ISO3AlphaCurrencyCodeContentType 通貨コードを記述するための プロパティ用語 JPY:日本円,
USD:アメリカドル,
EUR:ユーロ,
GBP:ポンド,
CHF:フラン
ISO_ISO3AlphaCurrencyCode_2012-08-31.xsd

※ 正式な情報を取得するには UNECE/UN/CEFACT XML Schema:2019 XML Schemas version 19Aのページを参照の事

1.7 構造化項目名記法の基本

構造化項目名記法は、IMI 語彙などの階層構造をもつデータ表現の位置を文字列によって表現するための仕様です。構造化項目名記法を利用することで、階層構造をもつデータを表形式のデータとして表現することができるようになるため、階層構造をもつデータの表計算ソフトウェアによる編集や、表計算ソフトウェアなどで作成されたデータから階層化されたデータへの効率的な変換ができるようになります。(構造化項目名記法は、本ドキュメント「2.チュートリアル」において、語彙を使ってデータを表現する手法として用いています。)

構造化項目名は、クラス用語 > プロパティ用語 > プロパティ用語 > ・・・のように「>」で区切って一つのクラス 用語と任意の数のプロパティ用語を並べたものです。 非常に簡単な例を次に示します。

施設型>種別

識別子 値型
ic:種別 xsd:string

この例では、「施設型」というクラス用語のプロパティである「種別」を使用することを意味しています。 ここで、「種別」プロパティの値型は単純な文字列 (xsd:string) です。この解説書では、このようなデータの構造を表現する場合に、下図のように円、矢印、長方形を用いた図を用います。 ここで、円 はクラス用語を、矢印はプロパティ用語を、長方形は単純な値を表します。上の例を図に表したものが、下図になります。

プロパティの値型がクラス用語である場合、「地理座標」プロパティの値型である「座標型」にもプロパティがあります。

施設型>地理座標>緯度

識別子 値型
ic:地理座標 ic:座標型
識別子 値型
ic:緯度 xsd:string

構造化項目名では、「座標型」のプロパティを記述する場合に、上記のように「施設型> 地理座標」 の後に続けて表記します。

(1) グループ名の利用

構造化項目名記法ではクラスのデータを区別するために、それぞれのクラスに名前を付けることができ、その名前をグループ名と呼びます。 グループ名には、任意の文字列を指定することができ、各用語の後ろに「[」 と「]」に囲んで記述します。 グループ名を使用することで、同じプロパティを複数使う場合に、プロパティの先にあるデータを区別することができます。

人型>氏名[本名]>姓
人型>氏名[本名]>名
人型>氏名[芸名]>姓
人型>氏名[芸名]>名

識別子 値型
ic:氏名 ic:氏名型
識別子 値型
ic:姓 xsd:string
ic:名 xsd:string

この例は、下図のような階層構造を表しています。ここで、上側の「氏名」は氏名 [本名] を表しています。

(2) 主キーの設定

データを作成する場合には、データに含まれる事物を正しく参照できるようにするためにデータ中の各事物に一意のキーを与える必要があります。例えば、施設の一覧であれば各施設を一意に特定するためのキーが必要になります。表形式データの行番号を用いることは推奨されません。20行目に記載された施設は、途中の行が削除されてしまうと19行目になってしまいます。このように、行番号と各施設の対応は変わってしまうからです。各施設に、将来にわたって変わることがない番号や文字列を与えるのが理想的です。そのような番号や文字列を与えることが難しい場合は、施設の名前や電話番号など、できるだけ変化しないものをキーとすることで代用します。構造化項目名記法では、先頭に「*」を付けることでその項目を主キーとすることを指定することができます。

次の例は、施設の名称の表記を主キーとして設定しています。

*施設型>名称>表記
施設型>名称>カナ表記
施設型>種別
・・・

(3) URL変換

項目の内容を値としてデータに含めるのではなく、インターネット上にあるリソースを参照としたい場合があります。例えば、施設の関連施設のデータがすでにインターネット上にある場合、その関連施設の名称、電話番号や住所をデータの中に含めるよりも、その施設のデータを参照した方が効率的です。このように、その項目の内容を URL として扱う必要がある場合があります。構造化項目名記法では、最後を>で終了することで、内容を URL として扱うことを表します。
次に例を示します。

施設型
施設型>名称>表記
施設型>関連施設>

(4) 固定値制約

固定値制約は、プロパティに固定の値を設定するために使用されます。 固定値制約では、値を設定したいプロパティ用語、「=」、設定する値(引用符で囲む)の順に記述し、その全体 を「{」「}」で囲みます。例えば、連絡先型の種別プロパティに「担当」や「現地」という値を設定する場合には、次の例のように記述します。

イベント型>連絡先[担当課]{種別='担当'}>電話番号
イベント型>連絡先[担当課]{種別='担当'}>FAX番号
イベント型>連絡先[当日連絡先]{種別='現地'}>電話番号

識別子 値型
ic:連絡先 ic:連絡先型
ic:種別 xsd:string
識別子 値型
ic:電話番号 ic:電話番号型
ic:FAX番号 ic:電話番号型

(5) 型制約

共通語彙基盤では、プロパティの値に、値型として指定されている型(クラス用語)だけでなく、その型を継承するすべての型を指定することができます。型制約は、プロパティの値として実際に使用する型を指定するために使用されます。 型制約では、「@」に続けて指定する型のクラス用語を記述し、その全体を「{」「}」で囲みます。例えば、施設型の関与プロパティの値型は、関与型となっており、その先の関与者プロパティの値型は実体型です。実際のデータでは、実体型を継承する人型を使用したい場合には、次の例のように記述します。

施設型>関与>関与者{@人型}
施設型>関与{役割='管理者'}>関与者{@人型}

識別子 値型
ic:関与 ic:関与型
識別子 値型
ic:関与者 ic:実体型
第1階層 第2階層 第3階層 第4階層 第5階層 第6階層
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型 ic:人型
ic:概念型 ic:事物型 ic:実体型 ic:組織型 ic:業務組織型 ic:法人型

型制約でプロパティの値型を実体型から人型へ置き換えた例

2. チュートリアル

語彙を使ってデータを表現することの目的は、コンピュータ等でデータを処理させる際に値としてのデータだけではなく、そのデータ項目が何を表しているのか(語彙)と値をセットにして受け渡し可能にするデータ(ここではIMIデータと呼びます)を作成することです。

本章では、語彙を使ってデータを表現するための基本的な知識として、データ項目と語彙との関係づけをIMI技術仕様の一つである構造化項目名記法を用いて行っていく方法をチュートリアル形式で解説いたします。 また、実際のデータはコア語彙だけで表現するのは難しい場合がほとんどですが、ここではコア語彙を利用するための解説を中心に行っていきます。

2.1 シンプルな名簿を表現する

本節では、もっとも単純な例として以下の名簿データを対象にコア語彙を使った表現を解説します。

氏名 性別 生年月日
情報花子 2020/01/01
推進太郎 2020/02/02

(1) ルートクラスの選定

語彙を利用してデータを表現する場合、そのデータ(データセット)が主として何を表しているのかを表現するためのクラス用語(単にクラスと呼ぶこともあります)を選定する必要があります。

今回の名簿データであれば、人に関する情報の集まりであることから、コア語彙の中に定義されている人型クラスを選定します。選定したクラスはルートクラスと呼ばれることが多いです。

ルートクラス選定のためにはコア語彙のクラス用語をある程度把握しておく必要がありますが、本書第3章に代表的なクラス用語の説明を記載していますので参照してください。

(2) プロパティの選定

データセットを構成するデータ項目が何を表しているのかを表現するために、ルートクラスに定義されているプロパティ用語(単にプロパティと呼ぶこともあります)から適切なものを選定します。

プロパティには値型と呼ばれるデータ形式が定義されています。値型には大きく二つの分類があり、一つは値の記述形式(文字列・数字など)を示すもので、もう一つは他のクラスへの参照を示します。値の記述形式を示す値型の詳細については1.3(2)および1.6を参照してください。

値型が他のクラスへの参照であった場合、プロパティ選定は参照先クラスのプロパティを階層的にたどって値の記述形式が定義されている値型を持つプロパティを選定していきます。

今回の名簿データの場合、以下の様にプロパティ選定を行っていきます。

(3) データ項目を語彙の表現形式で記述

共通語彙基盤では、クラス用語とプロパティ用語の階層構造を構造化項目名という形式を用いて表します。構造化項目名の書き方はIMI技術仕様の『構造化項目名記法』として提供しています。

構造化項目名の最も基本的な書き方は、「クラス用語名 > プロパティ用語名」の様に階層構造を ">" 記号で連ねて書くことです。構造化項目名記法の詳細については1.7を参照してください。

データ項目名 構造化項目名 意味
氏名 人型>氏名>姓名 人型クラスの氏名プロパティ(氏名型)にある姓名プロパティ
性別 人型>性別 人型クラスの性別プロパティ
生年月日 人型>生年月日>表記 人型クラスの生年月日プロパティ(日付型)にある表記プロパティ

なお、コア語彙のクラス用語やプロパティ用語を記述する場合、その用語がコア語彙であることを示すための接頭辞として"ic:"を各用語の前に付加するのが正式な記述となりますが、本章では読みやすさを優先し基本的に接頭辞は割愛して記載いたします。上記の例で「性別」に対する構造化項目名の正式な記述は「ic:人型>ic:性別」となります。

(4) データの生成(変換)

構造化項目名を用いて、各データ項目と語彙との関係づけができていれば、ITエンジニア等がその関係づけを基に自分たちのコンピュータシステムで処理しやすい形式(XML, JSON-LD, Turtleなど)のIMIデータを生成(変換)します。 データ変換はある程度機械的に処理可能なためツール等を用いて実施することが想定されており、IMIではデータ変換を支援するためのツールとして「IMIツール」や「IMI共通語彙基盤ライブラリ」などを提供しています。

なおデータ変換の詳細を理解するには、IMIの技術仕様全般やプログラミング手法等に関する広範な知識が必要となるため、本書では解説しておりません。

以下に、今回の名簿データをコンピュータ処理用に変換したIMIデータを例示します。

<root xmlns:ic='http://imi.go.jp/ns/core/2' xmlns:xsi='http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance'>
  <ic:人 xsi:type='ic:人型'>
    <ic:氏名 xsi:type='ic:氏名型'>
      <ic:姓名>情報花子</ic:姓名>
    </ic:氏名>
    <ic:性別>女</ic:性別>
    <ic:生年月日 xsi:type='ic:日付型'>
      <ic:表記>2020/01/01</ic:表記>
    </ic:生年月日>
  </ic:人>
  <ic:人 xsi:type='ic:人型'>
    <ic:氏名 xsi:type='ic:氏名型'>
      <ic:姓名>推進太郎</ic:姓名>
    </ic:氏名>
    <ic:性別>男</ic:性別>
    <ic:生年月日 xsi:type='ic:日付型'>
      <ic:表記>2020/02/02</ic:表記>
    </ic:生年月日>
  </ic:人>
</root>
{
  "@graph": [
    {
      "@type": "人型",
      "氏名": {
        "姓名": "情報花子",
        "@type": "氏名型"
      },
      "性別": "女",
      "生年月日": {
        "表記": "2020/01/01",
        "@type": "日付型"
      }
    },
    {
      "@type": "人型",
      "氏名": {
        "姓名": "推進太郎",
        "@type": "氏名型"
      },
      "性別": "男",
      "生年月日": {
        "表記": "2020/02/02",
        "@type": "日付型"
      }
    }
  ],
  "@context": "https://imi.go.jp/ns/core/context.jsonld"
}

2.2 データを詳細化し住所録を表現する

本節では、2.1で作成した名簿データを参考に、データの汎用性を高めるためのデータ加工や項目追加について住所録データを例に説明するとともに、それらをどのように構造化項目名で表現するかを解説します。

氏名 性別 生年月日 郵便番号 住所 電話番号
情報花子(ジョウホウハナコ) 20200101 1130021 東京都文京区・・・ 03XXXX1234
推進太郎(スイシンタロウ) 20200202 1000001 東京都千代田区・・・ 03XXXX5678

(1) データの細分化や値の記述形式の変更

表形式のデータからIMIデータを作る時には、元になる表を変換しやすく設計しておくことが望ましいです。

データの細分化

データ項目に対するプロパティの選定に際して複数のプロパティの値になるような値を持つ項目はあらかじめ、分けておいたほうが良いでしょう。

例えば、ある施設の利用可能時間のデータとして以下のようなデータがある場合、データ項目を分割しておくと変換が容易です。

データ項目名
利用可能時間 10:00-17:00
↓ 項目を分割しておく ↓
利用可能時間(開館) 10:00
利用可能時間(閉館) 17:00

また、違うタイプの値が入る可能性のある項目もそれぞれのタイプごとの項目に分けておくと良いでしょう。 例えば、上の例において閉館時間に備考のような記述が含まれているデータがあるような場合は、その記述部分を別項目にしておくことが望まれます。

データ項目名
利用可能時間(開館) 10:00
利用可能時間(閉館) 17:00 (創立記念日は20:00まで)
↓ 項目を分割しておく ↓
利用可能時間(開館) 10:00
利用可能時間(閉館) 17:00
利用可能時間に関する備考 創立記念日は20:00まで

値の記述形式の変更

クラス用語の中には、対象としているデータの標準的な表現形式がプロパティの値型として設定されているものがあります。そういった項目を利用する場合は、プロパティ選定時にそのプロパティ用語を選択し、そこで指定されている表現形式にデータを合わせておいたほうがデータの汎用性が高まります。

例えば、日付を表すための日付型にはいくつかのプロパティがありますが、値型にxsd:stringを持ちどのような文字列でも入力可能な表記プロパティを使うよりも、値型にxsd:dateをもつ標準型日付プロパティを用いる方が望ましいです。

データ項目名 選択するプロパティ 備考
生年月日 人型>生年月日>表記 2020/01/01
2020年1月1日
20200101
どんな文字列でも入力できるが、コンピュータには使いづらい
標準的な表現形式のプロパティを選定 ↓ データ形式を変更 ↓
生年月日 人型>生年月日>標準型日付 2020-01-01 コンピュータ処理に適した形式

住所録データの場合

今回対象としている住所録データの場合、以下のように氏名の項目を漢字の氏名とカナの氏名に細分化し、生年月日のデータをxsd:dateの形式に変更することで日付型の標準型日付プロパティを利用可能にしておくことが望ましいです。

氏名 氏名カナ 性別 生年月日 郵便番号 住所 電話番号
情報花子 ジョウホウハナコ 2020-01-01 1130021 東京都文京区・・・ 03XXXX1234
推進太郎 スイシンタロウ 2020-02-02 1000001 東京都千代田区・・・ 03XXXX5678

(2) キー項目の追加

表形式のデータをコンピュータで処理する場合、各行を一意で識別するためのキー項目があらかじめ設計されていることが望ましいです。

ルートクラスとなるようなコア語彙のクラス用語の大半は、キー項目に相当するIDプロパティを持っています。このプロパティを設定するための項目をあらかじめ表データに組み込んでおきます。 キー項目に設定する値は、少なくともそのデータセットの中で一意になるように設定します。(IDについては2.3(3)も参照)

今回対象としている住所録データの場合、以下のようにキー項目として「項番」を追加しておきます。

項番 氏名 氏名カナ 性別 生年月日 郵便番号 住所 電話番号
001 情報花子 ジョウホウハナコ 2020-01-01 1130021 東京都文京区・・・ 03XXXX1234
002 推進太郎 スイシンタロウ 2020-02-02 1000001 東京都千代田区・・・ 03XXXX5678

(3) 語彙との関連付け

データ項目に対してプロパティ用語を選定する際に、プロパティの階層構造をたどっていくと経路上に同じプロパティ用語が複数出てくることが多くあります。このような場合は、その項目の表しているものに最も近い経路のプロパティを選択します。

今回の住所録を考えた場合、住所の項目は「人型 > 住所」にあるほかに「人型 > 連絡先 > 住所」も存在します。どちらを選択するかはもともとのデータが何を意図しているのかで決める必要があります。「住所」に入力されているデータは対象者に所属する住所なのか?、対象者への連絡先に所属する住所なのか?という判断を行います。今回のデータは人の住所録なので対象者に所属する住所として考えるべきでしょう。

一方、コア語彙の利用になれるまでは、該当しそうなプロパティ用語がなかなか出てこない場合がありますが、一般的なデータ項目であれば該当しそうなクラス用語やプロパティ用語から上位に階層をたどってルートクラスまでの経路を選択することができます。

今回の住所録の場合、電話番号の選択がやや難しいのですが、電話番号型というクラス用語がコア語彙にはありますので、そこから上位にたどっていくことで選択できます。まず電話番号型は連絡先型の電話番号プロパティの値型として参照されていることを確認します。次に連絡先型を値型に持つ人型のプロパティを捜します。そうすることで、人型の連絡先プロパティにたどり着くことができます。

データ項目名 構造化項目名 備考
項番 人型>ID>識別値
氏名 人型>氏名>姓名 今回は「氏名」と「氏名カナ」に分割しましたが、「性」「名」等、さらに細分化することでより汎用性の高いデータとなります。
氏名カナ 人型>氏名>姓名カナ表記
性別 人型>性別
生年月日 人型>生年月日>標準型日付
郵便番号 人型>住所>郵便番号
住所 人型>住所>表記 住所型のプロパティには様々なものがあります。用途に応じて使い分けすることで汎用性が高まります。
電話番号 人型>連絡先>電話番号 コア語彙では電話番号は連絡先型の中にしか出現しません。

2.3 社員名簿を表現する

本節では、2.2の住所録を参考に、より実践的なデータ項目に対する語彙表現を解説します。

社員番号 氏名 住所 自宅電話番号 職場電話番号 所属組織
10012 情報花子 東京都文京区・・・ 03XXXX1234 03XXXX4321 産業プラットフォーム部
10023 推進太郎 東京都千代田区・・・ 03XXXX5678 03XXXX8765 データ活用推進グループ

(1) データの役割を明らかにする

語彙の階層構造を示しただけでは、そのデータ項目が何を表しているのかが不明瞭になることがよくあります。このような場合は語彙表現においてその項目の表していることを補完して記述しておくことが望まれます。

今回の社員名簿データには、「自宅電話番号」「職場電話番号」と電話番号を表す項目が二つあります。これを2.2の住所録で検討した形で記述すると、どちらも「人型>連絡先>電話番号」となってしまい、その違いがわかりません。これら電話番号の違いは「その電話番号はどこにつながるのか」、コア語彙的な表現で言い換えると、「どのような種別の連絡先に属しているのか?」という違いになると考えられます。この「どのような種別の連絡先に属しているのか?」という情報を語彙表現で補完することで違いを明確化します。

今回の自宅電話番号を表すための構造化項目名は以下のような形式をとります。

これは、「人型クラスの連絡先プロパティ(連絡先型)にある種別プロパティに"自宅"を設定した状態の連絡先の電話番号プロパティ」を意味します。

このように、階層構造上のクラス用語が持つ任意のプロパティに固定値を設定することを固定値制約と呼びます。記法の詳細については1.7(4)を参照してください。今回使用した種別プロパティはコア語彙のすべてのクラス用語に設定されていますので、固定値制約を記述する際に最もよく利用されるプロパティとなっています。

職場電話番号も同様に以下のように表現します。

同一階層構造のデータが複数ある場合の留意点

今回の電話番号のように語彙の階層構造が同じになるようなデータが複数ある場合、データ変換等の処理を確実に行うための情報として、固定値制約とは別にそれぞれのデータが異なるものであることを示しておく必要があります。

先の電話番号の場合、語彙の階層構造は何れも「人型>連絡先>電話番号」と同じため、これをそのまま機械処理すると連絡先という一つの器に対して意味の異なる二つのデータ(電話番号)を設定しようとすることになり、コンピューター等での処理が難しくなります。このような場合は、器の異なる連絡先を表現するために連絡先にグループ名を付与することで区別します。今回は自宅用の連絡先の器に"1"、職場用の連絡先の器に"2"としてクループ名を付与することにします。この場合の構造化項目名は以下のような形式をとります。

データ項目名 構造化項目名 意味
自宅電話番号 人型>連絡先[1]{種別='自宅'}>電話番号 人型の連絡先プロパティ(グループ1)にある種別プロパティに"自宅"を設定した状態の連絡先の電話番号プロパティ
職場電話番号 人型>連絡先[2]{種別='職場'}>電話番号 人型の連絡先プロパティ(グループ2)にある種別プロパティに"職場"を設定した状態の連絡先の電話番号プロパティ

例では、グループ名に数字を割り振っていますが、グループ名には任意の文字列を指定してかまいませんので以下の様に記述することも可能です。グループ名の記法の詳細については1.7(1)を参照してください。

このグループ名の付与に関する詳細を理解するには、データ変換と同様の知識が必要となります。このため、実際にデータ処理システムを構築する段階でITエンジニア等と相談して決めていただいて構いません。

(2) プロパティの値型を置き換えて(指定して)利用する

プロパティを選定する際に、意味的に該当しそうなプロパティがあるのに、階層をたどってもそれらしいプロパティが出てこない場合があります。このような場合は、そのプロパティ用語の値型を置き換えて利用することが想定されています。

今回のデータ項目に所属組織がありますが、これのプロパティを選定するために人型のプロパティを確認すると、関与プロパティの説明に「実体に関連する組織や人(関連性の記述を含む)を記述するためのプロパティ用語」とあるため、これが該当しそうです。このプロパティ(関与型)の階層構造をたどると次に関与者プロパティ(実体型)が「関連する組織や人を記述するためのプロパティ用語」と説明されているため、さらに階層構造をたどります。しかしながら実体型のプロパティには組織名だと判別できるような記述を行うプロパティはありません。(ここで関与をさらにたどると無限にループしてしまいます)

語彙の利用ルールの一つに、「プロパティの値には、値型として指定されている型だけでなく、その型を継承するすべての型を指定することがきる」というルールがあり、関与型の関与者プロパティはこのルールを前提に設計されています。

具体的には、関与者プロパティの値型として実体型が指定されているため、この実体型を継承するクラスに値型を置き換えて(指定して)利用します。実体型を継承しているクラス用語は人型と組織型の二つですが、今回の場合は組織名を表すプロパティが必要なことから組織型に値型を置き換えます。

【実体型に関係するコア語彙の構造】 実体型に関係するコア語彙の構造と値型の指定

【関与者プロパティの値型の置き換え】 関与者プロパティの値型の考え方

組織型のプロパティには表記や名称がありますが今回は簡易化のため表記プロパティを利用することとします。 これを、構造化項目名で表現すると以下のような記述となります。(関与プロパティが何を表しているのかコア語彙表現だけではわからないため、固定値制約を用いて関与の種別プロパティに"所属組織"を設定しています。)

このように、目的のプロパティの値型をその値型を継承している値型へ置き換える事を型制約と呼びます。記法の詳細は1.7(5)を参照してください。 今回は関与者プロパティの型制約として{@組織型}を記述していますので、関与者プロパティの値型を組織型に置き換え、その先にある表記プロパティを利用可能にしています。

なお、型制約は元の値型を継承していれば、どのクラスでも指定可能なルールではありますが、元の値型と指定する値型の階層が乖離すると意味が分かりにくくなりますので、直接継承しているクラスのみを指定することが望ましいです。また、コア語彙では以下のクラスはこの型制約の利用を前提として検討されています。

型制約の利用を想定しているクラス 値型として指定するクラス
実体型 人型、組織型
期間スケジュール型 期間型、イベントスケジュール型、定期スケジュール型、詳細スケジュール型、詳細スケジュール規則型

(3) データ項目をより詳細に表現する

コア語彙には多種多様なクラス用語とプロパティ用語が定義されています。コア語彙の利用に慣れてくると、データ項目の表現方法に様々な方法があることに気が付きます。

2.2の住所録の例では、キー項目として単純な項番をデータに追加しました。ここで使用した構造化項目名を以下に示します。

今回の社員名簿では、項番に代わり社員番号が設定されています。したがって、先の電話番号と同様にIDの種別が社員番号であることを補完した方が親切です。補完した構造化項目名を以下に示します。

ここで、クラス用語「ID型」について少し詳しく見てみましょう。 ID型は「IDを表現するためのクラス用語」として定義されています。コア語彙ではIDは何らかの情報(=「種別」)を一意に識別するために用いられる任意の文字列(=「識別値」)として扱われますが、ID型のプロパティには、「種別」「識別値」以外に「体系(ID体系型)」というプロパティがあることに気づきます。 IDを割り当てる項目は、データをコンピュータ等で処理する際のキー項目となることが多く、データ品質を担保するためにこのキー項目がどのような出自を持つかが重要視される場合は、体系プロパティを用いてID体系情報を記述できるようになっています。ID体系型の特徴的なプロパティには「名称」「発行者」「バージョン」などがありますが、階層構造の先にあるプロパティへの固定値制約は構造化項目名では記述できないため、別途これらプロパティに相当するデータ項目の追加等を検討する必要があります。

データ項目と語彙との関連付けについては、データ設計者によって様々なとらえ方ができるため、これが正解という方法はありません。どのような定義も間違いではなくデータの利用シーンに即した形で検討いただいて問題ありません。先のIDであれば、一番目の簡易な表現は利用者や利用シーンが限定されている非常にクローズドなシステムで利用し、二番目は社内システム全体で社員番号を共通的に表現するために利用します。ID体系情報を項目として追加するような表現は企業統合などのシステム連携で各社の社員番号体系を識別するような場合に利用することが期待されます。

2.4 コア語彙の人型では表現が難しい項目の追加

本章冒頭でも記載した通り、実際のデータはコア語彙だけで表現するのは難しい場合がほとんどです。 本節では、2.3で扱った社員名簿をもとに、今後語彙を使ってデータを表現していく上でのヒントとなるような例を解説していきます。

(1) 記述プロパティを使ったとりあえずの対応

2.3で使用した社員名簿の項目に入社年月日を追加したいとします。人型には入社年月日を表現するようなプロパティはありませんが、種別付きの説明文を記述するための記述プロパティによってある程度の項目であれば対応可能です。構造化項目名で表記すると以下のようになります。

(2) コア語彙を拡張して新たなクラス用語を作成する

(1)の方法である程度の対応は可能ですが、本質的な観点から以下の疑問が生じます。

このような場合は、社員名簿用のクラス用語を新たに作成することが望ましいと考えられます。新たなクラス用語は、コア語彙を継承して作成します。今回の場合は、人型クラスを継承して社員名簿型クラスを作成し、そこへ日付型の値型を持つ入社年月日プロパティを追加することで対応可能です。

【社員名簿型クラスの構造】 社員名簿型クラスの構造

コア語彙を継承して新たなクラス用語やプロパティ用語を作成することを、IMIでは応用語彙を作成するといいます。応用語彙の作成はIMI技術仕様にある語彙記法を用いて行いますが、実際の定義や利用法についてはデータ処理システムを構築する段階でITエンジニア等と相談して決めていただいくことをお勧めします。

参考として、前述した社員名簿型クラスを語彙記法を用いて記述した際の例を以下に記載します。

#prefix ic: 'http://imi.go.jp/ns/core/2#'
#prefix ex: 'http://example.org/'
vocabulary 'http://example.org/' ;
 
#name '入社年月日'
property ex:入社年月日 {@ic:日付型} ;
 
#name '社員名簿型'
class ex:社員名簿型 {@ic:人型} ;
 
#name '入社年月日'
set ex:社員名簿型 > ex:入社年月日 ;

3. クラス用語解説

本章では、コア語彙の個々のクラス用語についてそのクラス用語が記述対象としているデータの概要や、クラス用語を使ってデータを記述する際のヒントについて解説しています。

解説はクラス用語の利用方法を4種のカテゴリーに分類して行っています(下表参照)。このカテゴリーは目安として定めたもので、実際の利用方法を制限するものではありません。

章節 カテゴリー 対象クラス用語
3.1 主にデータセットのルートクラスとして用いるクラス用語 文書型イベント型サービス型設備型人型組織型業務組織型法人型場所型地物型土地型建物型施設型駐車場型製品型製品個品型
3.2 主にデータ項目の値型として部品的に用いるクラス用語 (解説あり)
人数型日付型日時型組織関連型構成員型関与型アクセス型アクセス区間型参照型記述型状況型期間型イベントスケジュール型定期スケジュール型範囲制約型期間制約型コード制約型住所型連絡先型活動型対象型電話番号型
(解説なし)
長さ型重量型面積型容量型数量型金額型施設関連型名称型氏名型価格型座標型
3.3 IDやコードを表現するために用いるクラス用語 ID型コード型単位コード型ID体系型コードリスト型
3.4 語彙定義の基礎として用いる抽象的なクラス用語 概念型期間スケジュール型制約型事物型実体型

3.2で「解説なし」としたクラス用語については、基本的に3.1の解説の中で使い方等を示しています。

3.1 主にデータセットのルートクラスとして用いるクラス用語

文書型

概要

文書の情報を記述するための型です。文書がインターネット上にあるかどうかに関係なく記述することができます。事物型およびそれを継承する型に対するメタデータを記述するときにも使います。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
表題 文書型>表題 コア語彙解説書
著者 文書型>作成者{@人型}>氏名>姓名 山田 花子
キーワード 文書型>キーワード 共通語彙基盤 解説
発行 文書型>発行者{@組織型}>名称>表記 〇〇出版社
発行日(年) 文書型>日付{種別='発行日'}>年 2020
発行日(月) 文書型>日付{種別='発行日'}>月 9
発行日(日) 文書型>日付{種別='発行日'}>日 1
言語 文書型>言語>識別値 ja

イベント型

概要

お祭りや催しもの、あるいは道路工事情報といった、イベント情報を記述するための型です。典型的なイベントとは、主催者がいて、ある目的を持って日時と場所を決めて行われる出来事です。イベントには1回しか行われない一過性のイベントもあれば、週1回等の周期的に行われるイベント、不定期に繰り返し行われるイベントなどが含まれます。

類似する型として状況型活動型があります。状況型は組織などに付随するもので、時間的に変化する組織の状態を記述するのに使います。活動型における活動とは、組織や人が主体的に行う出来事で、組織や人に関連づけて記述されます。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
名称 イベント型>名称>表記 〇〇フェスティバル
概要 イベント型>説明 〇〇のフェスティバルです。
開催場所 イベント型>開催場所{@施設型}>表記 〇〇公園
住所 イベント型>開催場所{@施設型}>住所>表記 東京都〇〇区△△ 0-0-0
連絡先 イベント型>連絡先[連絡先]>電話番号 000-1111-3333
当日連絡先 イベント型>連絡先[当日連絡先]>電話番号 000-1111-2222
対象年齢(上) イベント型>利用対象>制約{@範囲制約型}{制約対象='人型>年齢>数値'}>上限値{単位表記='歳'}>数値 12
対象年齢(下) イベント型>利用対象>制約{@範囲制約型}{制約対象='人型>年齢>数値'}>下限値{単位表記='歳'}>数値 0
料金 イベント型>料金>金額{通貨='円'}>数値 1000
カテゴリー イベント型>キーワード グルメ フェスティバル
開始日 イベント型>期間{@期間型}>開始日時>標準型日時 2020-10-10T00:00:00
終了日 イベント型>期間{@期間型}>終了日時>標準型日時 2020-10-11T00:00:00

サービス型

概要

行政サービスなど、組織等が他の組織または人に提供するサービスを記述するための型です。提供するサービスが有形・無形であるかどうかは問わず使用することができます。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
種別 サービス型>種別 健康支援
名称 サービス型>表記 〇〇市定期歯科検診
利用対象年齢(上) サービス型>利用対象>制約{@範囲制約型}{制約対象='人型>年齢>数値'}>上限値{単位表記='歳'}>数値 40
利用対象年齢(下) サービス型>利用対象>制約{@範囲制約型}{制約対象='人型>年齢>数値'}>下限値{単位表記='歳'}>数値 40
提供者 サービス型>提供者{@組織型}>名称>表記 〇〇市
利用方法 サービス型>利用方法 定期歯科検診である旨を伝えて歯科を予約します。当日は送付されたはがきをお持ちください。

設備型

概要

施設や建物に備わっている設備を記述するための型です。施設や建物の記述の一部であることも多いですが、それだけで記述されることもあります。施設等に固定されていることが多いですが、可搬な設備も書くことができます。

この型の上位は事物型です。また、その上位は概念型です。この型では事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *設備型>ID>識別値 EQ-EL1234
種別 設備型>種別 エレベータ
更新日 設備型>メタデータ>日付{種別='更新日'}>標準型日付 2020-10-10
表記 設備型>表記 第1市庁舎 西1エレベータ
説明 設備型>説明 △△電機ABC1234
設置建物 設備型>設置地点{@建物型}>表記 〇〇市第1市庁舎
住所 設備型>設置地点{@建物型}>住所>表記 〇〇市本町1-1-1
設置位置 設備型>設置位置 西側ホール
設置者 設備型>設置者>表記 ◯◯市役所
設置者電話 設備型>設置者>連絡先>電話番号 0123-45-6789
管理者 設備型>管理者{@組織型}>表記 〇〇市役所総務部設備課
連絡先 設備型>連絡先>表記 〇〇市役所総務部設備課修繕係
連絡先電話 設備型>連絡先>電話番号 0123-45-6789
連絡先メール 設備型>連絡先>Eメールアドレス shuzen@city.marumaru.lg.jp
設置年月日 設備型>設置日>標準型日付 1990-1-1
メーカー・機種 設備型>記述{種別='機種'}>説明 A社製 型番1234
バリアフリー 設備型>バリアフリー 車椅子対応
利用可能時間 設備型>利用可能時間{@期間型}>説明 市庁舎開庁時間内

人型

概要

人に関わる情報を記述するための型です。

この型の上位は実体型です。また、その上位は事物型概念型です。この型では、実体型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは実体型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *人型>ID>識別値 ID0123456
更新日 人型>メタデータ>日付{種別='更新日'}>標準型日付 2020-10-10
氏名(姓) 人型>氏名>姓 井美
氏名(名) 人型>氏名>名 太郎
氏名(ローマ字) 人型>氏名>姓名ローマ字表記 Imi Taro
氏名(カナ) 人型>氏名>姓名カナ表記 イミ タロウ
性別 人型>性別
生年月日 人型>生年月日>標準型日付 2000-10-10
郵便番号 人型>住所>郵便番号 1234567
都道府県 人型>住所>都道府県 □□県
住所 人型>住所>表記 ○○市××町1-1-1
電話番号 人型>連絡先>電話番号 0123-456-7890
Eメールアドレス 人型>連絡先>Eメールアドレス taro.imi@imimail.com
所属 人型>関与[所属]{役割='所属'}>関与者{@組織型}>表記 ○○市サッカークラブ
保護者 人型>関与[保護者]{役割='保護者'}>関与者{@人型}>氏名>姓名 井美一郎
保護者電話番号 人型>関与[保護者]{役割='保護者'}>関与者{@人型}>連絡先>電話番号 0123-456-7899
保護者メールアドレス 人型>関与[保護者]{役割='保護者'}>関与者{@人型}>連絡先>Eメールアドレス ichiro.imi@imimail.com
保護者との関係 人型>記述[保護者との関係]{種別='保護者との関係'}>説明
保護者との連絡方法 人型>記述[保護者との連絡方法]{種別='保護者との連絡方法'}>説明 メールでの連絡を希望
本籍 人型>本籍>国 日本
出生地 人型>出生地>表記 oo県○○市
年齢 人型>年齢{単位表記='歳'}>数値 15
身長 人型>身長{単位表記='cm'}>数値 180
体重 人型>体重{単位表記='kg'}>数値 80
血液型 人型>記述[血液型]{種別='血液型'}>説明 AB型

組織型

概要

様々な組織の情報を記述するための型です。組織は必ずしも登記されている必要はなく、法人内部の部署などを記述する場合にも組織型を使用します。

この型の上位は実体型です。その上位は事物型概念型です。この型では、実体型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは実体型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
名称 組織型>表記 〇〇会
通称 組織型>通称 〇タン
説明 組織型>説明 〇〇市内の自然の魅力を発信するための有志の会
活動開始日時 組織型>活動>期間{@期間型}>開始日時>標準型日時 2020-09-01T09:00:00
主要な活動 組織型>活動>説明 〇〇市の自然観察
連絡先 組織型>連絡先>電話番号 000-3333-4444
会員数 組織型>関連人員{種別='会員'}>人数 10
代表者 組織型>代表者>構成員>氏名>姓名 山田 花子

業務組織型

概要

組織のうち、事業費目や事業年度、代理人といった情報がある組織を記述するための型です。個人事業主など法人登記されていない業務組織を記述する時に使います。法人としての組織の記述のためにはこの型を継承した法人型があります。

この型の上位は組織型です。その上位は実体型事物型概念型です。この型では、組織型、実体型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは組織型実体型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目 構造化項目名
商号種別 業務組織型>名称>種別 屋号
商号 業務組織型>名称>表記 〇〇商店
事業種目 業務組織型>事業種目 雑貨の販売
事業年度開始月 業務組織型>事業年度開始日>月 4
事業年度開始日 業務組織型>事業年度開始日>日 1

法人型

概要

会社などの法人を記述するための型です。法人型は法人インフォーメーションにて使用されています。法人インフォーメーションでは、下記解説以外にも記述する内容が詳細に規定されているプロパティ及び拡張されたプロパティがあります。

この型の上位は業務組織型です。その上位は組織型実体型事物型概念型です。この型では、業務組織型、組織型、実体型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは業務組織型組織型実体型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目 構造化項目名
法人番号 法人型>ID{種別='法人番号'}>識別値 5010005007126
法人名称 法人型>名称{種別='名称'}>表記 〇〇株式会社
組織種別 法人型>組織種別>識別値 301
資本金 法人型>資本金{通貨='円'}>数値 10000000
従業員数 法人型>関連人員{種別='従業員数'}>人数 100
役員 法人型>関与{役割='役員'}>関与者{@人型}>氏名>姓名 山田 花子

場所型

概要

地上にある地点や領域などを記述するための型です。なんらかの管理や運営がなされている場合は、この型を継承して定義している地物型を使うとよいでしょう。また、さらに地物型を継承して施設型建物型土地型が用意されているので、記述対象がこれらに相当するものであれば、それぞれの対応する型を使うのがよいでしょう。

この型の上位は事物型です。また、その上位は概念型です。事物型と概念型で用意されたプロパティも場所型では使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

地物型

概要

地上にある施設や建物、土地などで、なんらかの管理や運営がなされている対象を記述するために用意された型です。この型を継承した、施設型建物型土地型が用意されているので、記述対象がこれらに相当するものであれば、それぞれの対応する型を使うのがよいでしょう。

この型の上位は場所型です。また、その上位は事物型概念型です。場所型、事物型、概念型で用意されたプロパティも地物型では使われます。詳しくは場所型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *地物型>ID>識別値 AREA1234
名称 地物型>表記 駅前規制エリア
種別 地物型>種別 交通規制
画像 地物型>画像> https://kisei.marumaru-city.lg.jp/kisei/imag.jpg
説明 地物型>説明 2020年8月1日の○○市花火大会開催時における駅前車両規制領域です。
範囲 地物型>地理座標>座標データ 35.680213 139.765239, 35.680413 139.764225, 35.682910 139.765099, 35.682727 139.766162
管理者 地物型>関与{役割='管理者'}>関与者{@組織型}>表記 ○○警察署交通課
管理者電話番号 地物型>関与{役割='管理者'}>関与者{@組織型}>連絡先>電話番号 0123-45-6789
更新日時 地物型>メタデータ>日時{種別='更新日時'}>標準型日時 2020-07-31T09:00:00

土地型

概要

特定の用途に用いられている土地を記述するための型です。

この型の上位は地物型です。また、その上位は場所型事物型概念型です。この型では、地物型、場所型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは地物型場所型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

建物型

概要

居住、仕事、娯楽等何らかの役割のために建てられた建物(建造物、建築物、家屋)を記述するための型です。建物自体に備わった情報を主に記述します。建物が施設として用いられる時は、施設としての情報は施設型を使って記述して、この建物を使う施設の情報として分けて記述することもできます。

この型の上位は地物型です。また、その上位は場所型事物型概念型です。この型では、地物型、場所型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは地物型場所型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *建物型>ID>識別値 MM-SG00101
建物名称 建物型>表記 ○○市立xx小学校第1校舎
住所 建物型>住所>表記 ○○市xx町1-2-3
緯度 建物型>地理座標>緯度 35.683934
経度 建物型>地理座標>経度 139.75289000000001
設備 建物型>設備[1階トイレ]>表記 1階トイレ
建物型>設備[1階トイレ]>説明 男性用:3、女性用:6、多目的トイレ:1
建物型>設備[1階トイレ]>設置位置 1階玄関横
建物型>設備[1階トイレ]>バリアフリー 多目的トイレは車椅子用設備、オストメイト対応設備あり
建物型>設備[エレベータ]>表記 エレベータ
建物型>設備[エレベータ]>設置位置 階段横
建物型>設備[エレベータ]>バリアフリー 車椅子対応
管理者 建物型>関与{役割='管理者'}>関与者{@組織型}>表記 ○○市教育部総務課
管理者電話 建物型>関与{役割='管理者'}>関与者{@組織型}>連絡先>電話番号 0123-456-7890
主要用途 建物型>主要用途 普通教室、特別教室等
敷地面積 建物型>敷地面積{単位表記='m2(平米)'}>数値 2000
建築面積 建物型>建築面積{単位表記='m2(平米)'}>数値 1000
延べ面積 建物型>延べ面積{単位表記='m2(平米)'}>数値 3000
地上階数 建物型>地上階数 3
地下階数 建物型>地下階数 1
構造 建物型>構造 鉄筋コンクリート造り
竣工日 建物型>竣工日>標準型日付 1990-10-10
施設 建物型>施設>表記 ○○市立xx小学校

施設型

概要

娯楽施設、医療施設、交通施設など、ある目的のために用いられる建造物やその設備を施設として記述するための型です。
多くの施設は建物が設置されていますが、施設型には施設として持つ情報を記述します。設置されている建物の情報の記述が必要な時は建物型として記述し、施設型の建物プロパティで指し示します。

この型の上位は地物型です。また、その上位は場所型事物型概念型です。この型では、地物型、場所型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは地物型場所型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目 構造化項目名
ID *施設型>ID>識別値 M7005
名称 施設型>表記 △△市立AA高等学校
名称よみ 施設型>名称>カナ表記 △△イチリツエーエーコウトウガッコウ
郵便番号 施設型>住所>郵便番号 236-0027
住所 施設型>住所>表記 ○○県△△市××区瀬戸22-1
緯度 施設型>地理座標>緯度 35.3354
経度 施設型>地理座標>経度 139.618678
電話番号 施設型>連絡先>電話番号 045-781-0000
FAX番号 施設型>連絡先>FAX番号 045-788-0000
利用交通機関 施設型>アクセス>備考 XXX駅から徒歩5分
リンク 施設型>参照>参照先> http://www.edu.city.example.jp/
項目名 構造化項目名
ID *施設型>ID>識別値 ABC01234
名称 施設型>表記 XX保育園△△園 一時預かり施設
URL 施設型>参照>参照先> https://example.com/
住所 施設型>住所>表記 ○○市□□町1-1-1 △△駅ビル内
アクセス 施設型>アクセス>備考 △△駅直結
電話 施設型>連絡先>電話番号 03-1234-0000
FAX 施設型>連絡先>FAX番号 03-1234-0000
園設備 施設型>設備>表記 簡易滑り台他
運営事業者名称 施設型>関与{役割='運営事業者'}>関与者{@組織型}>表記 学校法人 XX保育会
運営事業者法人番号 施設型>関与{役割='運営事業者'}>関与者{@組織型}>ID{種別='法人番号'}>識別値 5010005007126
保育時間(開始時間) 施設型>利用可能時間{@定期スケジュール型}>開始時間 09:00:00
保育時間(終了時間) 施設型>利用可能時間{@定期スケジュール型}>終了時間 18:00:00
利用料金(会員1時間) 施設型>料金{種別='会員'}{表記='1時間毎'}>金額{通貨='円'}>数値 300
利用料金(非会員1時間) 施設型>料金{種別='非会員'}{表記='1時間毎'}>金額{通貨='円'}>数値 500
受け入れ人数 施設型>収容人数{単位表記='人'}>数値 20
駐車場 施設型>駐車場{備考='駅ビル共通駐車場'}>収容台数 100
施設設置場所 施設型>建物>表記 △△駅ビル
施設設置場所URL 施設型>建物>参照>参照先> https://sankaku.com/ekibiru/
運営施設 施設型>関連施設{役割='姉妹保育園'}>施設>表記 XX保育園▽▽園

駐車場型

概要

駐車場の情報を記述するための型です。

この型の上位は施設型です。また、その上位は地物型場所型事物型概念型です。この型では、施設型、地物型、場所型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは施設型地物型場所型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *駐車場型>ID>識別値 ABC01234
名称 駐車場型>表記 〇〇市役所第1駐車場
住所 駐車場型>住所>表記 ○○市□□町1-1-1 △△
電話 駐車場型>連絡先>電話番号 03-1234-0000
運営事業者名称 駐車場型>関与{役割='運営事業者'}>関与者{@組織型}>表記 〇〇市役所
運営事業者法人番号 駐車場型>関与{役割='運営事業者'}>関与者{@組織型}>ID{種別='法人番号'}>識別値 5010005007126
利用可能時間(開始) 駐車場型>利用可能時間{@定期スケジュール型}>開始時間 09:00:00
利用可能時間(終了) 駐車場型>利用可能時間{@定期スケジュール型}>終了時間 20:00:00
利用料金(普通乗用車) 駐車場型>料金{種別='普通車1時間'}>金額{通貨='円'}>数値 300
利用料金(軽自動車) 駐車場型>料金{種別='軽自動車1時間'}>金額{通貨='円'}>数値 200
設置ビル 駐車場型>建物>表記 〇〇市役所中央総合庁舎
収容台数 駐車場型>収容台数 50
駐車場利用施設 駐車場型>関連施設{役割='利用施設'}>施設[1]>表記 〇〇市役所
駐車場利用施設 駐車場型>関連施設{役割='利用施設'}>施設[2]>表記 〇〇市役所中央図書館
備考 駐車場型>備考 訪問部局で駐車場チケットに捺印をもらってください。

製品型

概要

各種の製品や商品などの情報を記述するための型です。製品型は製品や商品の仕様(どのようなものであるかについての情報)を記述し、実際に保有していたり利用している個別の製品・商品については製品個品型を使って記述します。

この型の上位は事物型です。また、その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *製品型>ID>識別値 EM-FOOD-12-001
製品名称 製品型>表記 保存用ビスケット60食入り(××製菓)
種類 製品型>種別 非常用ビスケット
種類コード 製品型>種別コード>識別値 EM-FOOD-12
バーコード 製品型>自動認識ID> https://marumaru.city.lg.jp/hijo/id/EM-FOOD-12-001
購入価格 製品型>価格{種別='購入価格'}>金額{通貨='円'}>数値 10000
製造者 製品型>製造者 ××製菓
製造者法人番号 製品型>製造者ID{種別='法人番号'}>識別値 5010005007126
入数 製品型>入数{単位表記='個'}>数値 60
形態 製品型>形態 段ボール箱詰
重量 製品型>重量{単位表記='kg'}>数値 6.30
製品型>幅{単位表記='mm'}>数値 365
高さ 製品型>高さ{単位表記='mm'}>数値 260
長さ 製品型>長さ{単位表記='mm'}>数値 190
原産国 製品型>原産国 日本
保存期間 製品型>記述{種別='保存期間'}>説明 5年
説明 製品型>説明 調理不要、容器不要、用具不要、食器不要

製品個品型

概要

所有、利用、管理などをしている製品を個別に記述するための型です。個別の製品ではなく、製品の仕様を記述するときは、製品型を使います。

この型の上位は製品型です。また、その上位は事物型概念型です。この型では製品型、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは製品型事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
ID *製品個品型>ID>識別値 4569951116179
製品個品型>ID>体系>表記 JANコード
製品名称 製品個品型>表記 保存用ビスケット60食入り(××製菓)
種類 製品個品型>種別 非常用ビスケット
種類コード 製品個品型>種別コード>識別値 EM-FOOD-12
バーコード 製品個品型>自動認識ID> https://marumaru.city.lg.jp/hijo/id/EM-FOOD-12-001
価格 製品個品型>価格>金額{通貨='円'}>数値 10000
製造者 製品個品型>製造者 ××製菓
製造者法人番号 製品個品型>製造者ID>識別値 5010005007126
製品個品型>製造者ID>体系>表記 法人番号
入数 製品個品型>入数{単位表記='個'}>数値 60
形態 製品個品型>形態 段ボール箱詰
重量 製品個品型>重量{単位表記='kg'}>数値 6.30
製品個品型>幅{単位表記='mm'}>数値 365
高さ 製品個品型>高さ{単位表記='mm'}>数値 260
長さ 製品個品型>長さ{単位表記='mm'}>数値 190
原産国 製品個品型>原産国 日本
保存期間 製品個品型>記述{種別='保存期間'}>説明 5年
説明 製品個品型>説明 調理不要、容器不要、用具不要、食器不要
製造日 製品個品型>製造日>標準型日付 2020-01-01
賞味期限 製品個品型>賞味期限>標準型日付 2024-01-01
シリアル番号 製品個品型>シリアル番号>識別値 123456789
保存状態 製品個品型>状態 非常備蓄庫保存
所有者 製品個品型>所有者{@組織型}>表記 ○○市
連絡先 製品個品型>所有者{@組織型}>連絡先>表記 ○○市総務部総務課
連絡先電話 製品個品型>所有者{@組織型}>連絡先>電話番号 0123-45-6789

3.2 主にデータ項目の値型として部品的に用いるクラス用語

人数型

概要

人数を記述するための型です。特に分類ごとの人数を記述する場合に使用します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
種別 人数型>種別 正社員
人数 人数型>人数 3000

日付型

概要

時間を伴わない日付を記述するための型です。時間も同時に記述する場合は、日時型を使用します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
日付型>年 2020
日付型>月 9
日付型>日 1
一つの文字列として記述する例
項目 構造化項目名
日付 日付型>標準型日付 2020-09-01

日時型

概要

日付と時刻を合わせて記述するための型です。日付のみを記述する場合は、日付型を使用します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
日時型>年 2020
日時型>月 9
日時型>日 1
日時型>時 14
日時型>分 23
日時型>秒 33
時間帯 日時型>時間帯 日本標準時
一つの文字列として記述する例
項目 構造化項目名
日時 日時型>標準型日時 2020-09-01T14:23:33+09:00

組織関連型

概要

組織同士の関係性を記述するための型です。類似する型に関与型があります。組織関連型はグループ会社や子会社など資本関係や登記上の関係がある場合に使用し、それ以外の場合は関与型を使用します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
役割 組織関連型>役割 子会社
組織名 組織関連型>組織>名称>表記 〇〇システム株式会社

構成員型

概要

組織やグループの中で特別な役割を担う人物を記述するための型です。業務組織型の代表者プロパティ(構成員型)などに使われています。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
役職 構成員型>役割 代表取締役
氏名 構成員型>構成員>氏名>姓名 山田 花子
表形式における表現
法人名 代表取締役
〇〇株式会社 山田 花子

この場合、下記の例のようにデータを構成する際に 法人>代表者>役割 に"代表取締役"が入るようにします。

データの構成例
項目名 構造化項目名
法人名 法人型>名称>表記 〇〇株式会社
代表取締役 法人型>代表者{役割='代表取締役'}>構成員>氏名>姓名 山田 花子

関与型

概要

人や組織、それらの活動等に関連する関係者を記述するための型です。組織の内外を問わず、特定の役割や役職をもつ人物や組織そのものを関係者として記述することができます。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
役割 関与型>役割 顧問弁護士
関与者 関与型>関与者{@人型}>氏名>姓名 山田 花子
関与型の使用例
項目名 構造化項目名
法人名 法人型>名称>表記 〇〇株式会社
顧問弁護士 法人型>関与{役割='顧問弁護士'}>関与者{@人型}>氏名>姓名 山田 花子

アクセス型

概要

施設や建物へのアクセス情報について記述するための型です。施設型や建物型のアクセスプロパティの値型として使われ、単独の情報として使われることはないでしょう。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

アクセス型では主に3種類の方法でアクセス情報を記述することができます。

通常は1番目の方法で記述するので十分です。
2番目以降の方法は構造的にアクセス情報を書くときに役に立ちます。駅やバス停を別途施設型として記述しておくことで、そこにさらに駅やバス停の情報を記述することができます。さらに、一つのアクセス方法がいくつかの交通手段を組み合わせてできているときは、3番目の方法で構造的に書くことができます。鉄道、バス、車、徒歩など複数のアクセス方法があって、その組み合わせで、個別のアクセス手段を記述するときは、3番目の方法を使うと効率的に記述できます。

項目名 構造化項目名
アクセス方法 アクセス型>種別 公共交通機関
始点 アクセス型>始点{@施設型}>表記 ○○駅
終点 アクセス型>終点{@施設型}>表記 ××市役所前
アクセス方法 アクセス型>備考 ○○駅から○×鉄道×○線で××駅下車。××駅西口バス停より○×バス×○線(丸03系統)で××市役所前下車。
アクセス時間 アクセス型>時間{単位表記='分'}>数値 15

アクセス区間型

概要

交通アクセスの個別の区間を記述するための型です。アクセス区間型は基本的にアクセス型のアクセス区間プロパティの値型としてのみ使われ、単独の情報として使われることはないでしょう。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
アクセス方法 アクセス区間型>種別 鉄道
始点 アクセス区間型>始点{@施設型}>表記 ○○駅
路線 アクセス区間型>路線 ○×鉄道×○線
終点 アクセス区間型>終点{@施設型}>表記 ××駅
乗車時間 アクセス区間型>時間{単位表記='分'}>数値 10
項目名 構造化項目名
アクセス方法 アクセス区間型>種別 バス
始点 アクセス区間型>始点{@施設型}>表記 ××駅西口
路線 アクセス区間型>路線 ○×バス×○線(丸03系統)
終点 アクセス区間型>終点{@施設型}>表記 ××市役所前
乗車時間 アクセス区間型>時間{単位表記='分'}>数値 5

参照型

概要

写真などのマルチメディアやドキュメントなど、インターネット上の様々な関連リソースへの参照を記述するための型です。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
種別 参照型>種別 説明動画
参照先 参照型>参照先> https://example.com/xxxx/yy.mpeg

記述型

概要

説明文を追加記述するための型です。説明プロパティ(xsd:string)を直接使用する場合と異なり、記述型では種別を指定することができるため、説明文の目的や対象などを明確にすることができます。

記述型のプロパティがある場合であっても、他に適したプロパティがある場合に記述型のプロパティを使用することは推奨されません。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目 構造化項目名
種別 記述型>種別 休館日に関する特記事項
説明 記述型>説明 水曜日が祝日の場合は木曜日が休館となります。

状況型

概要

設立や倒産など、組織などの活動状況や状態を記述するための型です。状況型では、組織の記述に付随して、時間的に変化する組織などの状態を記述するときに使います。

類似する型に活動型イベント型があります。活動型における活動とは、組織や人が主体的に行う出来事で、主体となる組織や人に関連づけて記述します。イベント型はある目的を持って場所や時間を決めて開催されるもので、関与する組織や人とは独立に記述します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
名称 状況型>名称>表記 吸収合併
発生日 状況型>発生日>標準型日時 2020-09-01T09:00:00
関与 状況型>関与{役割='合併先企業'}>関与者{@組織型}>名称>表記 〇〇株式会社
説明 状況型>説明 〇〇株式会社により吸収合併された

期間型

概要

繰り返しがなく開始日(開始日時)と終了日(終了日時)で指定できるスケジュールを記述するための型です。値型として期間スケジュール型が指定されているプロパティに対して、型制約として指定することができます。

この型の上位は期間スケジュール型です。この型では、期間スケジュール型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは期間スケジュール型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
開始日 期間型>開始日時>標準型日時 2020-09-01T00:00:00
終了日 期間型>終了日時>標準型日時 2020-09-03T00:00:00
説明 期間型>説明 雨天の場合は中止となります。
項目名 構造化項目名
開始日(年) 期間型>開始日時>年 2020
開始日(月) 期間型>開始日時>月 9
開始日(日) 期間型>開始日時>日 1
終了日(年) 期間型>終了日時>年 2020
終了日(月) 期間型>終了日時>月 9
終了日(日) 期間型>終了日時>日 3
説明 期間型>説明 雨天の場合は中止となります。
期間型の使用例
項目名 構造化項目名
名称 イベント型>名称>表記 〇〇地区ガス工事
開始日 イベント型>期間{@期間型}>開始日時>標準型日時 2020-09-01T09:00:00
終了日 イベント型>期間{@期間型}>終了日時>標準型日時 2020-09-01T17:00:00
説明 イベント型>期間{@期間型}>説明 工事中は〇〇地区〇〇道路で通行止めが随時発生します。

イベントスケジュール型

概要

展示会や学園祭のように、ある期間に毎日開催されるイベントのスケジュールを記述するための型です。開催される日の開始時間と終了時間も指定できます。開催期間(または開催日)と開催期間中の開始終了時間の双方を指定します。値型として期間スケジュール型が指定されているプロパティに対して、型制約として指定することができます。

この型の上位は期間スケジュール型です。この型では、期間スケジュール型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは期間スケジュール型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
開催日 イベントスケジュール型>開催日>標準型日付 2020-09-01
開始時間 イベントスケジュール型>開始時間 10:00:00
終了時間 イベントスケジュール型>終了時間 17:00:00
説明 イベントスケジュール型>説明 入場は16:30までとなります。
項目名 構造化項目名
開始日 イベントスケジュール型>開始日>標準型日付 2020-09-01
終了日 イベントスケジュール型>終了日>標準型日付 2020-09-03
開始時間 イベントスケジュール型>開始時間 10:00:00
終了時間 イベントスケジュール型>終了時間 17:00:00
説明 イベントスケジュール型>説明 入場は16:30までとなります。

定期スケジュール型

概要

施設の営業時間のように開始時間と終了時間が決まった状態が一定期間にわたって継続するスケジュールを記述するための型です。期間内に毎日開催される場合ではなく、特定の曜日だけに開催するといったスケジュールも書くことができます。値型として期間スケジュール型が指定されているプロパティに対して、型制約として指定することができます。

この型の上位は期間スケジュール型です。この型では、期間スケジュール型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは期間スケジュール型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
開始時間 定期スケジュール型>開始時間 10:00:00
終了時間 定期スケジュール型>終了時間 18:30:00
オープン日 定期スケジュール型>有効開始日時>標準日時 2019-12-01T10:00:00
クローズ日 定期スケジュール型>有効終了日時>標準日時 2020-03-15T18:30:00
開催日 定期スケジュール型{種別='週間'}>開催期日 金土日、祝日
特記事項 定期スケジュール型>説明 気温が一定以上の場合は休館することがあります。

範囲制約型

概要

イベント、サービス、統計データ等の条件において、条件となる範囲が特定の数値の範囲によって定義されていることを記述するための型です。値型として制約型が指定されているプロパティに対して、型制約として指定することができます。

この型の上位は制約型です。その上位は概念型です。この型では、制約型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは制約型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
制約対象 範囲制約型>制約対象 人型>年齢>数値
上限値 範囲制約型>境界を含まない上限値>数値 60
下限値 範囲制約型>下限値>数値 12

期間制約型

概要

イベント、サービス、統計データ等の条件において、条件となる範囲が時間的な期間によって定義されていることを記述するための型です。値型として制約型が指定されているプロパティに対して、型制約として指定することができます。

この型の上位は制約型です。その上位は概念型です。この型では、制約型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは制約型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
制約対象 期間制約型>制約対象 人型>生年月日
開始 期間制約型>期間{@期間型}>開始日時>標準型日時 2019-04-01T00:00:00
終了 期間制約型>期間{@期間型}>終了日時>標準型日時 2020-03-31T23:59:59

コード制約型

概要

イベント、サービス、統計データ等の条件において、条件となる範囲が予めコードによって定義されていることを記述するための型です。値型として制約型が指定されているプロパティに対して、型制約として指定することができます。

この型の上位は制約型です。その上位は概念型です。この型では、制約型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは制約型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
対象 コード制約型>制約対象 人型>性別コード
制約コード コード制約型>制約コード{種別='ISO 5218'}>識別値 2

住所型

概要

住所を記述するための型です。住所型が単独で使われることは稀で、人型や組織型等のプロパティの値として使われることが主です。住所の記述の方法については、行政基本情報データ連携モデル(https://cio.go.jp/guides)を参照してください。

この型の上位は事物型です。また、その上位は概念型です。この型では事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
表記 住所型>表記 〒113-6591 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコート センターオフィス
郵便番号 住所型>郵便番号 113-6591
住所型>国 日本
都道府県 住所型>都道府県 東京都
住所型>区 文京区
町名 住所型>町名 本駒込
丁目 住所型>丁目 2
番地 住所型>番地 28
住所型>号 8
ビル名 住所型>ビル名 文京グリーンコート センターオフィス
部屋番号 住所型>部屋番号 13階
項目名 構造化項目名
表記 住所型>表記 〒100-2101 東京都小笠原村父島字西町
郵便番号 住所型>郵便番号 100-2101
住所型>国 日本
都道府県 住所型>都道府県 東京都
市区町村 住所型>市区町村 小笠原村
町名 住所型>町名 父島字西町

連絡先型

概要

施設、設備やイベントなどの記述をする際に、連絡先の情報を記述するための型です。施設型、設備型、イベント型等にある連絡先プロパティの値型として使われています。一つの連絡先には名称から住所、電話番号等の複数の項目があることがありますが、この型を使うことで、これらの項目が一まとまりであることを示すことができます。このため、施設やイベントに連絡先が複数ある時に混同することがありません。

この型の上位は事物型です。また、その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
連絡先名称 連絡先型>表記 ××祭り連絡担当
連絡先名称(英語) 連絡先型>名称>ローマ字表記 Contact for Festival xx
連絡先組織 連絡先型>組織>表記 ○○市役所
担当者 連絡先型>担当者名>表記 井美太郎
担当者(英語) 連絡先型>担当者名>姓名ローマ字表記 Taro Imi
担当者役職 連絡先型>担当者役職 広報課地域担当
メール 連絡先型>Eメールアドレス event@marumaru.city.lg.jp
住所 連絡先型>住所>表記 〇〇市本町1-1-1
電話番号 連絡先型>電話番号 0123-45-6789
対応言語 連絡先型>対応言語 英語可

活動型

概要

組織や人の活動を記述するための型です。活動とは組織や人が主体的に行う出来事です。活動の記述においては、活動の主体である組織や人が何を行なったかということを記述します。類似する型として、イベント型状況型があります。イベント型はある目的を持って場所や時間を決めて開催されるもので、関与する組織や人とは独立に記述します。状況型は組織等に付随して、組織等の時間的に変化する状態を記述します。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
名称 活動型>名称>表記 株式の上場
日時 活動型>日時>標準型日時 2019-09-01T09:00:00

対象型

概要

イベント、サービス、統計データ等において、対象となる事物や人の範囲を限定することがあります。このときの条件をつける対象を記述するための型です。実際にはこの型は制約型を使って制約を書くときに便宜的に用意するもので、この型の制約プロパティ(制約型)だけが重要です。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
最高対象年齢 対象型>制約{@範囲制約型}{制約対象='人型>年齢>数値'}>上限値{単位表記='歳'}>数値 12
最低対象年齢 対象型>制約{@範囲制約型}{制約対象='人型>年齢>数値'}>下限値{単位表記='歳'}>数値 0

電話番号型

概要

電話番号を記述するための型です。電話番号型は特殊な型でそれ自体が文字列として扱われます。

利用にあたってのヒント

項目 構造化項目名
氏名 人型>氏名>姓名 山田 花子
電話番号 人型>連絡先>電話番号 090-0000-0000

長さ型

解説省略

重量型

解説省略

面積型

解説省略

容量型

解説省略

数量型

解説省略

金額型

解説省略

施設関連型

解説省略

名称型

解説省略

氏名型

解説省略

価格型

解説省略

座標型

解説省略

3.3 IDやコードを表現するために用いるクラス用語

ID型

概要

法人番号や製品のシリアル番号といったIDの値(識別値)を記述するための型です。

データの中ではIDへの参照を記述します。HTMLやLinked Open Data(LOD)では、IDを示すURIを記述します。また、データを表形式やcsv形式などで入力または表示する際には識別値のみを使用するのが一般的です。

ID型に似たものとしてコード型があります。コード型が一つ一つの値に意味がある場合に使用されるのに対し、ID型は製品のシリアル番号や法人の番号など、同種のものを識別するために使用します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
法人番号 ID型{種別='法人番号'}>識別値 5010005007126
項目名 構造化項目名
ID体系の名称 ID型>体系>表記 法人番号
ID体系の発行者 ID型>体系>発行者{@組織型}>名称>表記 国税庁
識別値 ID型>識別値 5010005007126
IDの使用例
項目名 構造化項目名
法人名 法人型>名称>表記 〇〇株式会社
法人番号 法人型>ID{種別='法人番号')>識別値 5010005007126

コード型

概要

コードの値を記述するための型です。例えば、ISO 5218 に規定されている性別コードであれば、2 = female(女)という一つの値を表現するために使用されます。一方、ISO 5218 に規定される複数の値(0 = not known(不明)、1 = male(男)、2 = female(女)、9 = not applicable(適用不能))の集合を表現するにはコードリスト型を使用します。

性別のような一般的なものについては、可能な限りあらかじめ定義されているコード型を使用します。データの中ではコードへの参照を記述します。HTMLやLinked Open Data (LOD)であれば、コードを示すURIを記述します。また、データを表形式やcsv形式などで入力または表示する際には識別値のみを使用するのが一般的です。

データに固有のコードを作成する場合には、コードリストおよびコードを作成する必要があります。詳しくはコードリスト型を参照ください。

コード型に似たものとしてID型があります。ID型が製品のシリアル番号や法人の番号など同種のものを識別するために使用されるのに対し、コード型は一つ一つの値に意味がある場合に使用します。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
識別値 コード型>識別値 2
表記 コード型>表記
コードリスト名称 コード型>コード種別>表記 ISO 5218
コードリスト説明 コード型>コード種別>説明 ISO/IEC 5218:2004 Information technology — Codes for the representation of human sexes
コードリスト発行者 コード型>コード種別>発行者{@組織型}>表記 International Organization for Standardization
コードリスト参照先 コード型>コード種別>参照>参照先> https://www.iso.org/standard/36266.html
コードの使用例
項目名 構造化項目名
氏名 人型>氏名>姓名 山田 花子
性別 人型>性別コード{種別='ISO 5218'}>識別値 2
表形式における表現
氏名 性別
山田 花子 2

単位コード型

概要

数量の単位について記述するための型です。主に、数量型容量型面積型重量型長さ型の単位プロパティの値型として使われ、単独の情報として使われることはありません。一般的なデータを作成する場合には、単位コード型を使ったデータを作成することはありません。データをcsv形式などで入力または表示する際にはコードの値(識別値)のみを使用します。

この型の上位はコード型です。その上位は概念型です。この型では、コード型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくはコード型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
コード種別 単位コード型>コード種別>表記 SI単位系
識別値 単位コード型>識別値 km
表記 単位コード型>表記 キロメートル
量種別 単位コード型>量種別 長さ
乗数 単位コード型>乗数 1000.0
単位コードの使用例
項目名 構造化項目名
製品 製品型>名称>表記 〇〇金具
重量 製品型>重量>数値 20
重量単位 製品型>重量>単位{表記='SI単位系'}>識別値 g
表形式における表現
製品名 重量 重量単位
〇〇金具 20 g

ID体系型

概要

IDの集合を記述するための型です。例えば、法人番号という集合を表現するために使用されます。一方、各法人番号に対してはID型が使用されます。

法人番号のような一般的なものについては、可能な限りあらかじめ定義されているID体系型を使用します。データの中ではIDを直接に参照するため、ID体系の直接の参照は記述されません。例えば、Linked Open Data (LOD)でデータを記述する場合、個別のIDは個別のIDを指し示すURIによって表現します。ただし、そのURIだけでは、そのURIがどのID体系(IDの集合)の要素のIDであるのかわからないため、そのURIからID体系を示すURIへの関係(ID体系型のプロパティ)をつけて表現します。

データを表形式やcsv形式などで入力または表示する際にはIDを指し示す値(文字列や数値列)を使い、入力者がどのような種類のIDを記述すべきかをマニュアル等に記述するのが一般的です。この場合も、データだけを見ていると、そのIDがどのID体系の要素としてのIDなのかわかりません。IMIではこのような曖昧性を排除するため、IDを利用するときは、そのIDが基づいているID体系をデータの中で参照あるいは記述することを推奨します。ID体系の記述はこのために必要となります。

法人番号のようにすでに定義されているID体系であれば、それを参照するだけでよいのですが、データに固有のID体系の場合は、このID体系型を用いて、そのデータ固有のID体系を定義する必要があります。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
名称 ID体系型>名称>表記 〇〇シリアル番号
発行者 ID体系型>発行者{@組織型}>名称>表記 xxx社
バージョン ID体系型>バージョン 1.0

コードリスト型

概要

コードの集合を記述するための型です。例えば、ISO 5218 に規定される複数の値(0 = not known(不明)、1 = male(男)、2 = female(女)、9 = not applicable(適用不能))の集合を表現するために使用されます。一方、2 = female(女)のような一つの値を表現する際にはコード型を使用します。

性別コードのような一般的なものについては、可能な限りあらかじめ定義されているコードリスト型を使用します。データの中ではコードから参照されるためコードリストの直接の参照は記述されません。例えば、Linked Open Data (LOD)でデータを記述する場合、個別のコードは個別のコードを指し示すURIによって表現します。ただし、そのURIだけでは、そのURIがどのコードリストの要素のコードであるのかわからないため、そのURIからコードリストを示すURIへの関係(コードリスト型のプロパティ)をつけて表現します。

データを表形式やcsv形式などで入力または表示する際にはコードを指し示す値(文字列や数値列)を使い、入力者がどのような種類のコードを記述すべきかをマニュアル等に記述するのが一般的です。この場合も、データだけを見ていると、そのコードがどのコードリストの要素としてのコードなのかわかりません。IMIではこのような曖昧性を排除するため、コードを利用するときは、そのコードが基づいているコードリストをデータの中に参照あるいは記述することを推奨します。コードリストの記述はこのために必要となります。

性別コードのようにすでに定義されているコードリストであれば、それを参照するだけでよいのですが、データに固有のコードリストの場合は、このコードリスト型を用いて、そのデータ固有のコードリストを定義する必要があります。

この型の上位は事物型です。その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

項目名 構造化項目名
名称 コードリスト型>名称>表記 〇〇エラーコード
発行者 コードリスト型>発行者{@組織型}>名称>表記 xxx社
バージョン コードリスト型>バージョン 1.0

3.4 語彙定義の基礎として用いる抽象的なクラス用語

概念型

概要

コア語彙の全ての型に共通する情報を記述するために用意された抽象的な型です。概念型はコア語彙における全ての型の上位の型(共通の親に当たる型)としての役割を持ち、この型を直接使って何かの情報を記述することはありません。

この型では、下位の型で共通に使われるプロパティが用意されています。

利用にあたってのヒント

期間スケジュール型

概要

期間やスケジュールを記述するために用意された抽象的な型です。期間スケジュール型は期間型イベントスケジュール型の上位の型(共通の親に当たる型)としての役割を持ち、この型を直接使って何かの情報を記述することはありません。

コア語彙でこの型がプロパティの値型として指定されている場合は、記述する対象に応じて期間型、イベントスケジュール型、もしくはこれらを継承した型などを型制約として指定して使うとよいでしょう。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

制約型

概要

イベント、サービス、統計データ等の条件などにおいて、対象とその条件範囲等を制約として記述するために用意された抽象的な型です。制約型はコード制約型範囲制約型期間制約型の上位の型(共通の親に当たる型)としての役割を持ち、この型を直接使って何かの情報を記述することはありません。

コア語彙でこの型がプロパティの値型として指定されている場合は、記述する対象に応じてコード制約型、範囲制約型、期間制約型、もしくはこれらを継承した型などを型制約として指定して使うとよいでしょう。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

事物型

概要

識別可能(個別にさし示すことが可能)な「こと」や「もの」の情報全般を記述するために用意された抽象的な型です。事物型はイベント等の「こと」的情報を記述するイベント型や、人、組織、製品といった「もの」的情報を記述する人型組織型製品型などに共通する上位の型(共通の親に当たる型)としての役割を持ち、この型を直接使って何かの情報を記述することはありません。

この型の上位は概念型です。この型では、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント

実体型

概要

人や組織といった社会に存在する主体的な事物を記述するために用意された抽象的な型です。実体型は人型組織型の上位の型(共通の親に当たる型)としての役割を持ち、この型を直接使って何かの情報を記述することはありません。
コア語彙でこの型がプロパティの値型として指定されている場合は、記述する対象に応じてこれらを継承した型などを型制約として指定して使うとよいでしょう。

この型の上位は事物型です。また、その上位は概念型です。この型では、事物型、概念型で用意されたプロパティも使われます。詳しくは事物型概念型を参照してください。

利用にあたってのヒント